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歯科コラム:後悔させない!予防歯科!

こんにちは。衛生士の中川です。今回の歯科コラムは予防歯科についてのお話です。

 

昨今、テレビのCM等で“予防歯科”という言葉を耳にする機会が増えました。皆さんは“予防歯科”とは一体何であるのかをご存知でしょうか。

そもそも予防歯科というものは1970年代に現代の歯の先進国とも名高いスウェーデンにて生まれました。そんなスウェーデンですが、1970年代より以前は、国民の大半がむし歯や歯周病に悩まされており。大きな問題となっていたようです。そこで何が問題であるのか原因を知るために、イェデボリ大学が調査を行いました。その結果明らかとなったのが、「痛くなったら歯医者へ行き治療することの繰り返し」であるということです。歯が痛むということは、むし歯が進行して神経にまで達してしまった状態であり、重篤な場合は歯を失うこともあります。また歯周病の場合では、1本の歯が歯周病に罹患すると全ての歯が感染してしまう程に感染力が高い上、進行中の自覚症状がほとんどない為、歯を失う危険性が高い病気です。つまり“痛みが出てから歯医者に行くのでは遅い”ということになります。学者達は悩みました。

「どのようにしてこの問題を解決すれば良いのか…。」

「むし歯や歯周病を進行させないよう、予防していくと良いのでは?」

これが今日までに至る予防歯科のポイントです。「むし歯は神経まで達しない最小限のうちに治療し、歯周病は進行しないようクリーニングを行いながら定期的にメンテナンスを行っていこう!!」この考えを基に、スウェーデンは政府で予防歯科に取り組むことにより、歯の先進国へと成長を遂げたのです。スウェーデン政府と国民の協力により今の栄光があるのですね。日本も是非、これに続きたいものです。

さて、突然ではありますがここでひとつ、とある調査の話をしたいと思います。日本人の40代以上の方に「今までやっておけば良かったと思うことはありますか?」というアンケートを行ったそうです。結果1位となった答えが、“歯のメンテナンス”だったそうです。歯は一度失うとトカゲのしっぽのように再生しない故に、かぶせ物や入れ歯など治療法はいくつかあります。しかし、それらはあくまで歯の代理であり、天然の歯のように100%の力を発揮してものを噛むことは不可能です。このことからアンケートに答えた方々は後悔の念を抱いているのだと思います。さらに余談ではありますが、ある一説によると自分の天然の歯は1本あたり300万円程度の価値があるとか…。自分の歯は大切にしたいですね。

これから予防歯科を心がけていく皆さんにとって大切なことは、セルフケア(毎食後に行う歯みがき)とプロフェッショナルケア(歯医者で行う定期検診やクリーニング)の両立です。過去に治療で歯を失った経験のある30~50代の患者さんを対象に統計をとった結果、セルフケアとプロフェッショナルケアの両立が成り立っていれば、その後30年間の間で歯を失うリスクを約4分の1に減らすことが証明されました。この結果から、予防歯科が歯を守ることに有効であることがわかります。既に後悔している方々はアンケート結果により警鐘を鳴らしてくださっています。

「やっておけばよかった…」と悔やむか、「やっておいて良かった」と胸を撫で下ろすかは皆さんの行動にかかっています。

さぁ、みなさんはどうされますか?